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麻
床材に適したサイザル麻は、ブラジルやケニア、タンザニア、メキシコを原産地とする植物で、その葉から取れる繊維は、長くて強靭でありながら柔軟性に優れ、摩耗や酸、腐食には他のどの麻よりも強いという特徴をもっています。サイザル麻から取れる繊維やパルプは、ロープやマット、紙、建材パネルなどに使われ、白くつややかな光沢のある繊維から生まれる優美な印象とす裸足で歩いたときの足触りの良さは、床材としての魅力があふれています。調湿性や防臭性にも優れ、近年では自然素材住宅への採用も増加しています。 |
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ヤシ
南の島の海岸風景でおなじみのココヤシは、インド、スリランカ、インドネシア、フィリピン等が主産地で、ココヤシの実は全て利用できます。観光客にもココナツジュースをはじめとして、実の内壁のコプラはココナツオイルになります。内果皮はヤシ柄炭(活性炭)の材料になり、ココナツの外果皮は海水に浸し、その周囲を覆っている繊維だけを取り出すとコイヤーファイバーが採れます。その繊維は手で紡がれ、糸になります。ココヤシ床材は、耐水性と耐久性に優れており、公共施設から一般住宅まで多くの場面で広く利用されています。 |
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籐
日本では籐と呼ばれるラタンは、インドネシアのジャングルに自生する生命力の強い植物で、地上で最長の高さに生育する植物です。暗いシャングルで太陽の光を求めて上へと成長し、倒れては他の植物にからみつき、さらに大きくなるという特徴があり、最長で数百メートルというものもあります。水に強く、弾力性、耐久性があり、床材としては洗面所や脱衣室、居間などに幅広く用いられています。また、多くの木材の生長サイクルが50〜70年かかるのに比べて、ジャングルが保護されており5〜10年で再生する、環境を破壊しない素材でもあります。 |
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竹
京都の竹林など、和のイメージが強い竹ですが、アジアの温帯から熱帯に多く、寒冷地にも自生しインドやアフリカ、オーストラリアなど広く分布しています。竹は成長力が非常に強く、成長のピーク時には1日で1メートル以上も大きくなります。素材用として乾燥させたものは硬さと柔軟性をもっており、建材や工芸品など幅広い用途に活用され、その繊維からは紙も作られています。なかでもモウソウ竹は硬く、反りにくいため寸法安定性に優れ、曲げや圧縮に強いので、竹の床材は水回りをはじめ、さまざまな空間で利用されています。 |